ピアノが上手になる・超簡単ヒント集
うまくいかない人のための、逆転の発想

  あなたの天才の見つけ方

引用元 『ハーバード大学教授がこっそり教える あなたの天才の見つけ方』

 教わることを、丸呑みするような勉強方法よりも、
「もしかしたら、違う答えもあるかも?」と疑うほうが、学習効果が高くなる。


 マインドフルな指示を与えたほうが、従来の練習法より力に満ちた創造的な演奏をしていると評価され、しかも彼らのほうがレッスンをより面白いと感じている。

 ※マインドフルな状態……心が活き活きと対象に向かって開かれ、
好奇心が全開となっている状態。    

 クラシックピアノのレッスンのように、高度に発展し系統立てられた伝統的訓練を思い浮かべると、ピアノを正確に演奏するために必要な一揃いの規則を自分のものにすることが技能のように思える。
 だが、演奏家についての論評をよく見てみると、この見方に疑間が生じる。

 演奏家のなかには、ほとんビ完全に鍵盤上の指の動きに没頭してしまい、体の残りの部分が演奏にどう関わっているか、どう手を支えて演奏を助けているかなど忘れてしまっているかのような人がいる。

 こうしてピアニストが手の神経と運動能力を駆使した超絶技巧に心を奪われると、その気持ちが音楽に反映する。内面から湧き出る感情に欠けた、計算ずくの演奏に聞こえるのだ。
 かくして、評論家たちは名人を評して、技術的にはすばらしいが感情がこもっていない、機械的だ、個性がない、などというのである。

 機械的な演奏をする演奏家の場合には、機敏に動く手と体の残りの部分が滑らかにつながっていないのではなかろうか。鍵盤を叩く指のエネルギーが孤立しているのだ。
 真の名演奏では、すべての技術力が結集され、周囲の状況と微妙に呼応しあった一種独特の音楽的経験へと姿を変える。そう考えてみると、何時間も練習を重ねて技能を自分のものとしなくては熟練できないものなのか、膨大な練習ははたして熟練に不可欠なのか、あるいは基礎になるのか、ということすら疑問となってくる。


 J・R・アンダーソンは、新しい技能の習得には三つの段階があると述べている。

 まず「認識段階」。この段階では、学習者はその技能について充分な情報を取り込み、粗削りではあっても模倣できるようになる。しばしば独り言が見られ、学習者は独り言の形で、技能の実行に欠かせない情報を復唱する。

 次の「連合段階」では、技能の実行に磨きをかける。最初の技能理解に間違いがあった場合、その間違いが次第にはっきりし、この段階で修正される。独り言は激減する。

 最後の「自律段階」では、常に技能の使い方に磨きがかけられる。ここまでくると、技能は際限なく改善されていくのだ。


 *変化に富んだ練習法で技能アップ

 私は、学習の最初の段階、つまり認識段階での教え方を変えることで学習の質が高まるかどうかを調べる共同研究を行なった。

 ピアノを習いはじめたばかりの人々に、マインドフルな練習法従来通りの練習法の二通りを使って、ハ長調の音階を教えた。

 無料でピアノのレッスンを受けられるというビラをまいて被験者を集め、無作為に二つのグループに分けた。学んだ内容は全員同じだったが、どのような姿勢で学ぶかについての指示は、グループによって違った。

 マインドフルなグループには、創造性を持って活動し、できる限り演奏を変化させなさいと指示した。

「この運指法を、ただ繰り返して覚えようとはしないでください。ピアノの演奏について、常に新しいことを学ぼうと心がけてください。数分ごとに演奏スタイルを変えるように、特定のパターンにはまりこんでしまわないようにしてください。練習しているあいだじゅう、ご自分の気持ちや感じ方や考えの些細な変化をも含め、状況に注意を払ってください」

 と指示したのである。レッスンの中ほどでも、常に新しいことを学ぼうと努め、数分ごとにやり方を変え、どのパターンにもはまりこんでしまわないよう念を押した。

 もう一つのグループには、従来からのやり方にしたがって繰り返しさらって覚えるよう指示した。レッスンが終わったあとで、被験者全員が二十分間練習をした。

 さて、被験者全員のピアノ演奏を録音し、いろいろな鍵盤楽器を演奏し作曲の経験もある音楽専攻の大学院学生が演奏を聴いて評価した。
 また、レッスンがどの程度気に入ったかを被験者に尋ねた。

 結果は予想通りだった。
 ピアノ演奏の初歩である運指法のレッスンでマインドフルな指示を与えられた被験者のほうが、従来の練習法で学んだグループより力に満ちた創造的な演奏をしていると評価され、しかも彼らのほうがレッスンをより面白いと感じていた。


 鍵盤楽器の巨匠の多くは、ピアノの大家でありながらオルガンも演奏している。たとえばモーツァルトやベートーヴェンやシューマンやグレン・グールドは、ピアノ曲を作曲したり演奏する時に、音色をより清澄にするにはオルガンを練習してみるとよいと勧めている。
 
ユーディ・メニューインは、ヴイオラを演奏するようになってから、自分のヴァイオリンの演奏がよくなった、と語っている。

 似てはいても違った楽器を同時に演奏してみることで、一連の基礎技能を当たり前のただ受け入れるべきものとは思わなくなり、神経の行き届いたマインドフルな状態になる。

 学びの最初の段階から、ほかのやり方やほかの可能性があるかもしれないと意識すると、絶対的なものとしてとらえなくなるので、やはりマインドフルさが増すのだ。


 潜在脳を呼びさます教材はあるか

 何かを学ぶ時には、教師個人が作りあげた練習によるのではなく、テキストを使う場合が多い。では、テキストで情報をマインドフルに伝えられるだろうか。
 私は、「テキストをほんの少し手直しすれば、学んだ内容をより創造力を持って利用できるようになる」という仮説を検証する共同実験を行なった。
……〔以下略〕

引用元 『ハーバード大学教授がこっそり教える あなたの天才の見つけ方』

出版社/著者からの内容紹介

「丸暗記」も「集中」もしてはいけません! これまで自分が信じてきた学びへの常識を全く覆す方法論。秘められた潜在脳力を120%引き出すノウハウがいま、ここに明かされる。

著者は、ハーバード大学の心理学の教授として、様々な研究・実験に携わってきた。その過程で、これまで学ぶために不可欠と思われてきたことがいずれも現実的には逆効果であるという事実を発見してきた。基本を習得すべし、集中すべし、暗記なしに教育はありえない、忘却するのは困ったことだ、答えは正しいか間違っているかのどちらかだ……。そんな神話が全く本当の学びを台無しにしているのである。

著者が最も重視するのは、マインドフルな状態。つまり、心が常に活き活きと対象に向かって開かれ、好奇心が全開となった心である。そうした心が、最も効果的にさまざまな学習をうながすのだ。では、そのために何をなすべきなのか? その答えは、本書の中に具体的に記されている!


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