| 鵜呑みで終わらせず、自分なりの工夫も加えること。 でもそれって、自由に弾いてもいいってこと? |
もちろん、基本とすべきフォームは意識すべきでしょう。しかし、手段と目的を取り違え、形に縛られすぎると、「臨機応変」という、一番大切な意識が芽生えません。
必要以上に形に縛られると、そればかりに気を取られ、逆に道を誤ってしまうのです。
例えばffの表現など、指の力だけで音を出そうとすると、音が割れて荒くなります。大きな音を出すときは、指よりむしろ上半身。指全体に体重を乗せて弾いたほうが、ズシリとした音が生まれるのです。
逆にppの場合、背筋をやや後ろにそらし、肩から真っ直ぐに伸びた腕の重みだけで弾くと、鍵盤に対して斜めの角度で力が加わるので、直角に当てるより、微妙な音量のコントロールもしやすく、美しい音色になります。
実は、一流の演奏家も基本の形に縛られず、場面ごとに柔軟に指の形を変えています。ですから、指の形について「基本形は常にこうです!」と、断定的に教わってしまった方も、ちょっと考え直してみてください。
手の形は、目的ではなく、手段です。いい音を出すための方法の一つ。
出したい音色によって、教わった弾き方が最適な場合もあれば、違う弾き方が最適の場合もあるのです。
ですから、一つのパターンに自分を押し込んで身動きが取れなくなるより、いろいろな奏法を試しながら、状況に応じて最もいい音を出せる形を見つけ出したほうが、これから先、自分の表現の幅が広がってくるでしょう。
また、自分の理想のピアニストの演奏が、映像として残っているのなら、それも参考にしてみましょう。
そのピアニストの演奏を、形から真似ることは、細かい指の動きまで注意して見る分、自分の観察眼を養うことにもなります。
その映像が、自分の練習中の曲とは全然違うものでも、大ピアニストの映像から上達のヒントは得られます。
特に、DVD「アート・オブ・ピアノ」は、17人の大ピアニストの演奏が収録されており、初級の方から上級者の方まで、全ての人が納得するであろう、お勧めの一枚です。
例えば、DVDに出てきた大ピアニストの手の形をCOPYしたいと思ったら?
鍵盤の端の方に、スタンド付きの鏡を置いて、鏡をのぞき込みながら、手元を見なくても弾ける曲を弾いて、自分の指の形を鏡を通して見てみましょう。
あるいは、三脚でビデオカメラを固定して、手元を撮影してみるのもいいかもしれません。
さて、頭の中で、DVDのピアニストの手の形を思い出しながら、実際の自分の手の形を見比べてみると?
足りないと感じたところに、今後の課題が見えてきます。
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プロのピアノ奏法 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ |
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