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ピアノが上手になる・超簡単ヒント集
うまくいかない人のための、逆転の発想

  F・F・ショパン
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 フリー百科事典の解説…… ショパン

 ポーランドの音楽家。ポーランドで最も優れた作曲家として、また、すばらしいピアニストとして有名であった。

 その作曲のほとんどをピアノ独奏曲が占め、またそれまでの作曲家に見られない繊細かつきらびやかな音の使用でピアノの詩人とも呼ばれ、前期ロマン派音楽を代表する作曲家である。



◆特徴

 彼は、ピアノをオペラのように歌わせることに関心を示し、ピアノで音を鳴らすときは、美しい音を、ニュアンスをつけて弾くよう指導しました。

 ワルシャワ時代は、ロッシーニのオペラが流行しており、ベルリン・ウィーン旅行(1828〜1829)では、ウェーバーの「魔弾の射手」、ヘンデルの「聖セシリア祭」などに熱中しています。また、ショパンがパリにすんでいた時代は、イタリア・オペラが注目されていました。

 それまでのピアノ曲は、古典派の流れをくむものでしたが、ショパンは、「ピアノを歌わせたい」と考えていたので、先人のピアノ曲より、オペラを参考に作曲していました。「作曲も、演奏も、独自の路線を築き上げた」と言われる所以です。

 ですのでショパン本人は、ハノンのような、単に指の鍛錬を目的とした練習曲には否定的でした。
 また、ツェルニーのような白鍵(ハ長調)中心の練習曲にも否定的でした。彼は、

「ピアノを弾きこなすのは、ハ長調が一番難しい」

 という考えを持っていたため、音階の練習は、人間工学的に一番自然なロ長調(シが開始音・♯5)の音階からはじめ、少しずつ黒鍵を減らしながら、上級レベルとして八長調を持ってきました。
 なぜ、八長調が上級なのでしょうか?

 指は、それぞれの長さが違います。特に親指と小指は他の指より短いので、白鍵の5つのキーに指をそろえて置くと、親指と小指はピンと伸ばし、人差し指〜薬指は窮屈に丸めなければなりません。
 しかし、人差し指〜薬指を黒鍵に置くとどうでしょう? 各指は自然に伸びた状態で、5本の指すべてをリラックスさせることができます。
 また、長いパッセージを弾くときなども、黒鍵中心の調は、簡単な親指くぐりで済みますので、指使いが非常に楽になります。さらに、黒鍵同士は隣のキー同士の間隔があいているため、演奏中、隣のキーを押し間違えるといったミスも減るでしょう。

 楽譜を読み取るという観点から見ると、ハ長調は一番簡単で、ロ長調は非常に大変です。
 しかし鍵盤に指を置くと、この難易度の順が逆転するのです。
 演奏家は指で音を出します。楽譜の読み取り難度より、演奏難度を重視して練習開始の調を選んだショパンの考え方は、非常に合理的だったのです。

ショパンの好む演奏の特徴

自然で変化に富んだ演奏
伴奏部は正確なテンポ。しかし、旋律部は拍子にとらわれず、歌わせる

同時代人の証言

ショパンの演奏は、蜘蛛の手足のように、素早い速さで鍵盤を覆いつくした。
広いパッセージを弾く時には、その極端なまでの手首の柔らかさを用いて、素晴らしい効果を生み出した。
力を込めて鍵盤を叩いたりして、強い音を出すようなことはしなかった
ペダルを巧妙に使っていた。
ショパンがテンポを動かして弾いているのが分かるまで、まる一年かかった
ショパンは演奏会の前の1週間はバッハの平均率ピアノ曲集だけを練習していた。
どんなに拍手を送っても足りない。彼はピアノ演奏において、新しい形の詩的な情感を啓示し、さらに芸術的な素晴らしい革新を図った。
(ショパンのパリデビュー演奏に関して−リスト)
ショパンは演奏家としても、作曲家としても、独自の芸術家だ。(ベルリオーズ)
彼はピアノの中に隠されている神秘な美の全てを、外へ誘い出した。(フィッシャー)
ロッシーニの楽譜を大事に持っていた。


弟子の証言

「聴覚を研ぎ澄ますことによって、自ずとタッチから生まれる
 音楽の表現力も養われていくのです」
「よく訓練されたメカニズムとは、美しい音の品質によって、
 様々にニュアンスをつけることなのです」
難しいところは無理をしていけません。柔らかくゆっくり弾くのです。
 そこにどんな宝が隠されているかもしれません。
「すべてを粒のそろった音で弾くのが目的ではないのです。私にとって完成されたメカニスムとは、美しい音を上手にニュアンスをつけて弾くことができるということなのです」
「手は柔軟に柔らかく!」
「決して強く叩いてはいけません。撫でるように弾くのです」
「機械的に練習を繰り返すのでなく、短い時間で精神を集中させて行うように。
 一日の練習量は3時間で十分です」
「筋肉や神経が疲労するまで練習することは避け、途中で休息を入れ、
 読書や散歩などをするように」
「イタリアオペラを聴きに行くように」
(特にロッシーニとベッリーニが好きだったとされる)
「バッハの平均率を毎日弾いて感性を磨きなさい」
メロディーをどのように歌うのか、どのように語るのかを、イタリアオペラの
 ベル・カント唱法や弁論術にたとえて説明しながら弾いて聴かせていた。
常に澄んだ無理のない音を求め、必要に応じて完璧な
 レガートをこなせるように望んでいた。
スケールや練習曲に対しても「美しい音を上手にニュアンスをつけて
 弾く」ことを大切にした。
楽譜を詩や散文にみたてて説明し、パッセージやフレーズ、段落や挿入句、句読点や読点、抑揚やアクセントを音楽ではどのように表現すればよいかということを弾いて聴かせた。
楽譜に書かれていることを表現するだけでなく、
 そこに隠されているものへの解釈に対しても要求が高かった。
リズミックに相当厳密だった。
生徒の聴覚を研ぎ澄ますため、実例を使いながら解釈を変えては
 何度も弾いて聴かせていた。
生徒ひとりひとりの個性の違いやそれぞれが何を必要としているか、
 常に注意を払っていた。
テンポはきちんと守ることを要求したが、
 「ゆっくり弾いても新しい発見がある」とも言っていた。

関連書籍 『弟子から見たショパン そのピアノ教育法と演奏美学』

 ショパンの音への考え方は、「ショパンエチュード」にもハッキリと見られます。
 楽譜に書かれていることを表現するだけでなく、そこに隠されているものへの解釈……。ですから彼の書いた練習曲は、単なる指の訓練だけで終わることなく、それをどう演奏表現に結びつけるか?
 ショパンエチュードには、表現に対してもきちんとした練習テーマが含まれているのです。

メロディーを、イタリアオペラのように歌う。
op.10−3
op.10−5
op.10−10
op.10−11
op.25−5
op.25−7
op.25−9
op.25−10
op.25−11
美しい音を上手にニュアンスをつけて弾くこと。
 (粒のそろった音で弾くのが目的ではない)
op.10−1
op.10−2
op.10−7
op.10−8
op.25−1
op.25−2

op.25−6
op.25−11
・広いパッセージを弾く時の、手首の柔らかさによる効果。
op.10−1
op.10−8
op.25−1
op.25−11
リズミックに敏感に。 op.10−1
op.10−2
op.25−3
op.25−9
ゆっくり弾くことで、新しい発見を。 op.10−1
op.10−8
op.10−11
op.25−4
常に澄んだ無理のない音を出し、必要に応じて完璧なレガートをこなせるように。 op.10−4 op.25−8
op.25−11
詩的な演奏 op.10−6
op.10−9
 

 ショパンは、このエチュードを、自作のピアノコンチェルトの高度な表現のための練習用として、作曲しました。

 後に、リスト(当時20歳)に楽譜を渡しますが、当時から初見の天才といわれたリストでさえ、この「エチュード」はすぐには弾けなかったそうです。

 しかし、数週間後、「エチュード」への練習を重ねたリストは、今度は完璧な演奏を披露し、ショパン本人も、
「私の曲を、彼のように弾きたいものだ」
 と脱帽したそうです。

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