模写という名画への近道!「規矩作法 (きくさほう)
守りつくして 破るとも 離るるとても
本を 忘るな」
-意訳-
大工仕事の基本動作は、 まずは師匠の教えを守り、完全に身につけること。 それができるようになったら、次は 伝統的な教えの意味を考え、自分で工夫すること。 最終的には、師匠を超え、独自の世界を創造すること。 しかし、独自の世界を歩き出しても、元となる幹は、 師匠から教わり学んだときの精神を忘れないこと。 |
千利休のこの短歌から一字ずつ取った、
『守・破・離』は、師匠の元で学び始めてから、師匠を超え、独立するまでの段階を示す言葉で、この順序は物事を学ぶ基本として、現代でも広く用いられています。
上手な字を書くときは、何も見ないで自己流に書くよりも、お手本を見ながら自分の文字の書き方を修正したほうが、確実にうまく書けるものです。
ピアノも、楽譜だけを元に自己流の表現を考えるより、CDの表現を耳で覚え、プロのテクニックをお手本に、自分の弾き方を修正したほうが、確実にうまく弾けるものです。
「CDを聴くと、自分で譜面を読んで考えなくなるから、お手本を聴いちゃだめですよ」
と考える方が多いのも事実ですが、武芸や伝統芸能の世界には、『守・破・離』という言葉があります。ご存知ですか?
「守」 <無知-真似る段階>
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「破」 <思考-考える段階>
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「離」 <卒業-未知の段階>
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◆模写のすすめ
CDを真似することに「他人の影響を受けるのは抵抗ある」と感じる方は多いかもしれません。しかし、その考え方は、レッスン等で先生に習うことも否定してしまいます。
自分の演奏に対して、先生からの的確なアドバイス。
レッスンでは普通に見られる光景ですが、ここで「先生の推奨する解釈」を受け入れれば、他人の影響を受けることになりますよね?
また、有名なピアニストから自分が直接指導を受ける機会があったら、喜んで話を聞きたがるでしょう?
だから、「先生から直接指摘を受けるか?」 「CDを聴いて自分で学び取るか?」の違いだけで、他人の解釈を参考にするのは、どちらも同じことなのです。
ですから、遠慮することもないのです。
それに、模写というのも意外に奥が深いもの。
はじめは、真似さえ思うようにできないのです。プロの音と自分の音に、あまりにも差がありすぎて、なんだか自信喪失……。
しかし、そこで諦めてしまわず「今の自分に足りないのは何か?」 と、できない原因を考えるようにします。
練習中も、今までより頭を使うようにします。そして、練習のときは常に、自分の欠点を修正しようと意識しはじめると、お手本に対する観察眼も鋭くなり、日々の練習に工夫が加わるようになります。
この時期は、ちょうど「守」と「破」の中間に位置する時期です。
お手本としたCDが、どこにも非の打ち所がない完璧な演奏なら、「守」の段階で完成です。
しかし、「ここはいいんだけど、ここは気に入らないんだよなぁ。ここだけは、自分としてはこう弾きたい」という場合は、気に入っている部分はそのままで、気に入らない部分のみを修正します。
それが、「破」の入り口です。
一番最初の、「CDを聴くと、自分で譜面を読んで考えなくなるから、お手本を聴いちゃだめですよ」 は、知識も経験もないのに、「守」の段階をとばしてしまっているのです。
お手本を真似るだけでは、オリジナルを超えられません。それは昔から言われていることです。
しかし、自分の経験が上がるにしたがって、いつしかお手本を真似るだけでは満足しない段階がやってくるのです。
そしてその後の、自分なりの工夫こそが、お手本を越える可能性を生み出すのです。もちろん、簡単には越えられませんが。
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上手になるために ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ |
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