ピアノが上手になる・超簡単ヒント集
うまくいかない人のための、逆転の発想

  特別な記憶法  (記憶編)

 ここでは、視覚、聴覚、感覚からの3通りの記憶法を紹介します。
 覚えにくい難所など、手ごわい箇所に対しては、特別な記憶法も試してみてください。
 
1.視覚による記憶

 まずは、視覚での覚え方から解説してみましょう。
 これは、“黒鍵と白鍵の模様を見て、その相対的な位置関係から覚えてしまう”という方法です。

 ピアノの黒鍵は、「2つ」と「3つ」のグループに分かれています。


 その黒鍵を基準に、“2つの黒の右下”(= ミ)のように、視覚的に正しいキーの場所を覚えていくのです。

 ピアノのキャリアが長い方は、この覚え方には逆に戸惑ってしまうかもしれませんが、これは、楽譜の読めない小学生が、『ねこふんじゃった』を覚えるときの方法です。
 そしてこの覚え方は、なんと、速弾きに有効なのです。
 この覚え方で、どれだけ速く弾けるかは、この曲をマッハで弾く全国の小学生が証明していますよね?

2.聴覚による記憶〔歌詞〕

 3.141592653589 7932384626433 832795028841

 今からこれを、3分以内に覚えてくれ! と言われたら、どうなるでしょう?
 多くの人は挑戦する気力さえ起こらず、「無理だよ〜」と感じることでしょう。
 しかし、童謡の「チューリップ」のメロディーに乗せて歌うとどうでしょうか?

さいた さいた チューリップの 花が
 314  159   2653   589

並んだ 並んだ 赤 白 黄色
 793  238 46 26 433 

どの花 見ても きれいだな
8327  950   28841

 桁数削ってない? と、思わず、上にある数字の羅列と見比べてしまうほど、グッと覚えやすく感じますよね?

 同じように、楽譜を覚えるときも、音符の読み方を「ド・ミ・ソ」と声に出して、階名の歌詞を歌いながら覚えてみましょう。
 右手なら右手、左手なら左手だけを歌詞カードに書き出して、CDの演奏に合わせて歌ってみるのです。グッと覚えやすく感じますよ。

3.指の流れによる記憶〔CPG〕

 漢字の書き方や、英語のスペルなどを、ド忘れしてしまったときに、「確か、こんな感じだったよなぁ」と、適当に指をチョコチョコ動かすうちに、「あっ! 思い出せた!」という経験は、誰にでもあるでしょう。

 また、数年ぶりに、あやとりや、お手玉、剣玉遊びを試してみても、以前の技を反射的に再現できたり、ラジオ体操の音楽を聴けば、何も考えなくても勝手に体が動くのは、体が動きのパターンを覚えているからです。
 これを運動性記憶といいます。

 運動性記憶は、一度覚えれば、その後はなかなか忘れないという特徴があります。
 人間の運動パターンの指令は、central pattern generator(CPG)で発生していることが知られています。
 このCPGには、過去に経験した運動パターンをフィードバックするシステムがあり、この働きのおかげで、複雑な動きも適応できるようになるのです。

 ピアノの場合も、同じように、体で動きを覚えることができるのです。
 最初は、練習するたびに、「あれ? 次はどこを弾くんだったかな?」と戸惑いますが、何度も何度も、同じ動作を繰り返すうちに、一連の流れをCPGがフィードバックして、指が勝手に動くようになってきます。

 この、「指の感覚」による記憶は、曲をマスターするうえでも非常に重要な要素です。この感覚を、より確実なものにするには、目をつぶって、指の感覚だけで弾くようにしてみましょう。

 目をつぶって練習することで、指の感覚による記憶を意識的に行って、体で、一連の流れを身につけていくのです。


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